企友会(バンクーバー日系ビジネス協会)イベント情報

カナダ ビジネスコラム
企友会会員による、カナダ(バンクーバー)ビジネスのトレンドや
各種業界情報等を、コラム形式で掲載しています。

2009年07月22日

企友会会報 Breeze 2009年7月号から

早いもので私がカナダに住むようになって今年で23年になります。当地に初めて来たのはバンクーバー万博のあった1986年ですが、その後わずか20年余 りの変化のスピードと濃密な中身は、間違いなく後世の歴史に一時代を画す事になるでしょう。即ち80年代の末にはベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦終結の幕 が下ります。そして折からのコンピューター技術の進歩、インターネット時代の到来とあいまって情報化時代、即ちグローバリズムが急速に進展しました。これ によって我々の生活様式や習慣、考え方までが一変しました。

一 方日本では89年に、長かった戦争と平和の激動の昭和が終わり、平成の時代に入るや花見酒のバブルが崩壊し、一転長い不況の「失われた10年」が始まりま す。そして新しい21世紀と共に、情報通信産業や自動車関連産業といった新興産業の発展に助けられ、日本経済はようやく不況を克服し上向きに転じて来た矢 先に、今度は米国発の金融危機によって、目下100年に一度と言われる世界同時不況の真っ只中にあります。こうして見ると実に凄まじい激動の時代が続いて いるわけですが、当然の事ながら、その時代に生きている一般庶民には、その時点時点では変化は分からない。相当期間過ぎ去り、改めて振り返ってみて初めて その歴史的変化に気づくものです。

そこで思うのですが、その時に起こった出来事の意味や重大性にその時点で気がつけば、未来もある程度予 知でき、歴史も予見できるはずです。ただしこれが出来れば問題ないが、それほど簡単な事ではない。しかし難しい事ではありますが、大筋の時の流れや先行き は、心構え次第で予知出来るのではないでしょうか。その為には漫然と新聞やテレビを見るのでなく、常にそのつもりでその日その日の出来事に強い興味を持 ち、数年後に我が身を置いてその意味や波及効果を考える習慣をつけることです。今起こっている事は数年先になっていかなる意味を持つのか、歴史になるのか を考えるのです。いわば歴史認識の「逆転の発想」です。先を見る目がある人というのは、即ちこの逆転の発想が出来る人の事であり、それがいわゆる成功者と 普通人との分かれ目になるのです。それは心がけ一つで身につけることが出来るのではないでしょうか。そしてこの発想、習慣をビジネスに応用すれば新事業創 出にきっと役立つはずです。

当地バンクーバーで万博が開催された1986年には、高層ビルはほとんどなく、当地は世界にもあまり名を知ら れていないカナダの一地方都市でしかありませんでした。万博後、その広大な跡地を香港財閥のリーカーシングループが、BC州政府より3億ドルで以後15年 間にわたり20億ドルを投入し、再開発する事を請け負いました。これは当時では相当のリスク事業でえらい事を考える、大方の向きは大丈夫かなと案じたもの です。余程の予知能力と自信がなければ出来ない事でしたが、資金力もあったのでしょう、さすが名だたる華僑、これを見事に当てて事業は大成功で今日見るよ うなバンクーバーの大発展に繋げました。華僑特有の豊富な情報網と資金力を持ち、経験もスケールも違う香港財閥だからこそ、将来の中国系移民の増大とバン クーバーのリゾート地としての発展性を適確に予測し投資決断をしたのでしょうが、これも普段の世界事情に対する強い関心と現在を未来に置き換える「逆転発 想」があったればこそ可能であったと思います。

ビジネスを志す者は常に将来何が起こるか、今日の出来事は将来どう発展するかを常に意識し て新しい仕事を考える癖をつけておくと、これはどこかで自分のビジネス発展に役立つ時があるはずです。その為には、日頃新聞やニュースなどで時事問題を勉 強し友人等と意見交換するなど、情報力を身につけるよう自ら努力することが必要でしょう。また、これら諸事情を色々な企画を通じて会員にあまねく広めるの は、取りも直さず企友会の大切な役目の一つである事は言うまでもありません。

企友会元会長 山縣洋三
posted by k-column at 14:10| 企友会会報から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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