彼はこの2年半の間ずっと、ある一人のアーティストをカメラで追い続けてきました。アーティストの名前は「Pamela Masik」。ダウンタウン・イーストサイドで行方不明になった69人のMissing Womenの顔を巨大なキャンバスに描きつづけています。
6 月23日、Pamelaは女性シェルターへのファンドレージングを兼ねて、69枚の中で一番最初に描いたMissing woman「Mona」を公開し、テレビや新聞・ラジオなどカナダ全国のメディアはもちろん、アメリカのワシントン・ポストまでがそのニュースを伝えまし た。
69名の行方不明になった女性のうち、26名は連続殺人犯Robert Picktonの牧場で遺留品やDNAが検出されていて、そのうち6名だけが立件されましたが、残りの20名に関しては、DNAは見つかったものの、証拠不十分として取り下げられていました。
6 月25日、ドキュメンタリーの撮影を通して知り合い、私の事をとてもかわいがって下さっている被害者の家族の一人、Aさんに付き添い裁判所へ向かいまし た。家族や友人は別室で待たされ、そこにはVictim Servicesのメンバーが家族の心のサポートのために来ていました。予定の時刻になり検事が入ってきて、そこで聞かされた判決は被害者の家族にとって 納得のいくものではありませんでした。涙ながらに訴える被害者の家族…。私も流れ出る涙を止めることが出来ませんでした。ダウンタウン・イーストサイドで 行方不明になっている69名の女性一人一人に、辛い思いをしている家族がいます。その中の一人であるBさんの妹も、Picktonによって殺害された可能 性が高く、26名のリストの中に入っています。Bさんは私に、彼女の妹が12年前の今日6月25日に電話をくれたのを最後に、行方が分からなくなってし まったことを話してくれました。妹さんは、これから人生を立て直すために頑張り始めたばかりだったそうです。
昨年の調査によると659人 のホームレスの人達がダウンタウン・イーストサイドで暮らしていて、その内の276人はシェルターに入っていますが、383人は道端で暮らしています。メ トロ・バンクーバーに住んでいる私達にとって、こんなに身近で起こっていることなのに、見て見ぬ振りをしてしまいがちなダウンタウン・イーストサイドが抱 える様々な課題。視線を広げると、世界中の様々な場所で様々な人々がそれぞれの問題を抱えています。ドキュメンタリーを通して人々に事実を伝えることはも ちろん、この映画を見た人々がそれぞれの問題から目をそらさず、立ち上がり、何かを始める勇気を与えられればと願っています。
映画製作に携わる私にとって、全く違った業種で活躍されている方々と幅広くネットワークを持つ事ができ、日頃知る機会のない貴重なお話を聞かせていただいたり、様々なテーマについて学ぶ事ができる企友会の活動は本当に素晴らしいと思います。
昨年から理事の一員として、参加する側から企画・運営する側へと立場が変わり、月一回の理事会を含め、深く企友会の活動に関わらせていただくようになり、いかに企友会で得た人々の繋がりが温かく、学びに満ち、成長していくための励みになっているのかを実感しています。
会員の皆様で最近、講演会や勉強会、懇親会やイベントなどにお越しになられていない方がいらっしゃいましたら、是非足をお運びいただければと思います。
また、まだ会員になられていない方も是非お気軽にご参加いただき、ネットワークの輪を広げていただけると嬉しいです。
企友会理事 山本美穂

