企友会(バンクーバー日系ビジネス協会)カナダビジネスコラム&イベント報告

コラム & イベント報告(会報)
カナダ(バンクーバー)のビジネスに関するコラムや
企友会主催イベントの開催報告を掲載しています。

2016年10月28日

小考 - 「発展」と「豊かさ」


約25年前、中国奥地のシルクロードを旅した際、カシュガルという街に立ち寄ったことがあった。街の中心部であるロータリーにはロバに引かせた馬車が停まり、少し離れると道端で人々が干しぶどうを作るためにゴザのようなものに天日干しをさせていた。ところが現在のカシュガルは高層ビルが立ち並び、中国を代表する経済発展の象徴のような大都市である。

今年10月、カンボジアのアンコールワット観光に行ってきた。アンコールワットも25年前、バックパック旅行の候補ではあったがすでにかなり観光地化されており、諦めて別のところを旅行したのだが、どうしてもアンコールワットは観ておきたく今回の旅行になった。宿泊の街、シェムリアップは外国資本が入りかなり発展し、我々欧米諸国で手に入る最新のテクノロジー製品が普通に売られている。しかしながら車で15分も走ると電気の通っていないのどかな農村になり、重要な働き手である牛が前庭に繋がれ、高床式の8畳ほどの1間に3世代が暮らす家が立ち並ぶ。

さらに三重県にある実家に戻ってくると駅前の商店街はほとんど全てシャッターがおりている。近郊型のショッピングモールに客を奪われて久しい。

学生の時大塚久雄氏の経済史学を少しだけかじった。いわゆる「開発途上国」は段階的な発展を、プランテーションのような大規模農業ではなく、イギリスの小規模農業を奨励せよ、というはなしであった気がする。だから「開発途上国」、「先進国」に追いつくために、段階的な発展を目指せば良いと。

だがカンボジアで見た風景のように、世界の多くの地域は欧米諸国の発展から取り残されている。これらの地域で盛んな小規模農業はいつまでたっても生産者に発展の恩恵をもたらさない。経済格差は縮まらず、「周辺」はいつまでたっても「周辺」のようだ。それが程度の差はあれ、カンボジア等の「開発途上国」や、日本を含む「先進国」でもおこっている。資源は金を産む方向に流れ、流れに乗り遅れた地域は後に残される。

最近あるコラムを読んだ。日本人はコンクリートの塊に住んで、鉄の塊に乗って会社に行く。その生活に疲れたら海外旅行に行ってそして言う、「やっぱり海外はいいなあ」と。その反面、カンボジアの人たちは家族で家事を分担し、いつも自然の中で暮らし、常に家族との時間を共有している。「発展」と「豊かさ」のバランスの問題であると。

「発展」という言葉も「豊かさ」という言葉も 胡散臭い。でも日本から少し離れて、この曖昧な2つの言葉の間で生活出来るバンクーバーに感謝したい。

企友会理事 真野展成



posted by k-column at 10:34| 理事の挨拶文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月15日開催 上野千鶴子氏講演会 「日本の介護事情」 のご報告

おひとりさまの老後ー上野千鶴子氏講演会に行ってきました。


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年寄りは家に居たいのだ!」

そうだよね、とあらためて思ったのが 10月15日に開催した企友会・桜楓会共催上野千鶴子氏講演会でした。


ともすれば難しく気持ちが沈みがちな高齢社会と介護について、それはそれは豊富な知識と辛口かつユーモアを交えてのお話は、あっというまの3時間でした。


自分を在宅ひとり死の推進者と呼ぶ上野先生は、

「嫁は介護者としては絶滅危惧種」

「夫による介護の特徴は、介護者主導管理型介護」

思わず笑いながらも、自分がおばあちゃんになった時を瞬時に想像して、ひえ〜っと心の叫びが。もちろん全てがそうだと言っているわけではなく、そうじゃないお嫁さんもご主人もたくさんいます!


ただ、老老介護の問題や悲しい事件などをニュースでよく耳にするようになったのはホントですね。


わたしは人生の折り返し地点手前(まだ折り返し地点だと言いたくないささやかな抵抗、笑)なので、我が家でも老後の話は真面目にしています。わたしたちの頃にはロボット介護やインターネットを活用した老後生活かしら?と日々進歩するテクノロジーに淡い期待も持ちつつ、2人で老後の話をする一番のモチベーションは「わたしらの老後の生き方はわたしらで決めたい」からだったりする。ようは家族が決めるんと違うからね、ということ。だから上野先生の「お年寄りの自己決定が大切」の言葉に、前のめりで聞き入ってしまいました。


家族の誰かに負担の大きな介護が必要となる時、在宅介護なのかケアホームへ入るのがいいのかを決めるのは家族の希望でのケースが多数を占めるそうです。でも上野先生は、家族からみてケアホームがどんなに素晴らしく住みよい場所なのかよりも、当のお年寄り本人たちが何を望んでいるのかの自己決定が一番大切と伝えていました。


と、そうは言っても現実はそうたやすくないのでして、家族だってそうできたらしたいのは山々だけど、自分の身を削って極限までがんばっている人たちもいたり、本人の幸せや望んでいるとおりに介護や暮らしの場所を決めることはとても難しい。


数年前に他界した主人の両親にも、いつも笑っていてもらえるようにできる限り望んでいることを大切にしてがんばったけれど、両親たちだって本当は「家に居たい」って思いがあったであろうと思うと少し悲しくなりました。


自己決定を大切にした在宅介護・在宅ひとり死の実現には、3つの条件が必要だそうです。

・24時間巡回訪問介護

・24時間対応の訪問医療

・24時間対応の訪問看護


これだけ見ると、とても実現不可能に感じるけれど、上野先生は実際にこれを実現している新潟県の故小山剛さんのこぶし園のことなどを話しれくれました。山の上にあった大きな総合施設を3つの条件のサービスを合わせ持つ「小さな特養」として入居者がもともと住んでいた地域に分散してつくったそうです。これはケアホームのあり方としては画期的で、介護制度のモデルのひとつにもなったとのこと。上野先生はこれらの場所に足を運んで、介護されるお年寄りはもちろんお医者さんや看護婦さん、介護士さんと会って話をされながら、介護やサービスへの世の中の意識が変われば、もっとたくさんのお年寄りの在宅ひとり死が可能と確信されています。


ニーズが高まれば、そこにビジネスが生まれる。

家族が決定しつづけていては、いつまでたってもおひとりさまの老後のニーズが高まることができない。上野先生や小山先生のような方たちが何かしてくれることを待っていないで、おひとりさまの老後を迎えるわたしたちが、今からそのニーズを高めていくことで、様々なサービスを提供するビジネスが生まれるのかもしれない。


そう考えると、これはもう遠慮なく今から声を大きくして「年寄りになったら家に居たいのだ!」って周りに言っとかないと。


企友会理事 美香スミス
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posted by k-column at 10:15| イベント開催報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月03日

2016年9月27日開催 講演会 BC州のLNGの現状とエネルギー・気候変動問題 のご報告

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9月27日リステルホテルにて、BC州のLNGの現状とエネルギー・気候変動問題についての講演会が開かれました。

JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属資源機構)より山田剛士さんを講師としてお迎えし、JAPEX(石油資源開発株式会社)の岸上有紀夫さんにもゲストスピーカーとしてお越しいただきました。

普段はあまり耳にしないトピックですが、私達の未来を担うエネルギーのお話はとても興味深く、また環境や経済にどのように関わってくるのかというところも詳しくお話いただき、終始驚きの連続で、メモを取らずにはいられませんでした。参加された皆さんも山田さんの分かりやすいプレゼンテーションに盛んに頷いておられ、更に質疑応答の時間には積極的に参加してくださいました。その様々な質問に山田さん、岸上さんのお二人が的確にお答えされ、参加された皆さんにとって、今回の講演会はとても有意義なものになったのではないでしょうか。

私はこの講演会に参加して、LNGを通して更に日本とカナダの繋がりが深くなるのではないかと、とてもワクワクしました!更に、予想されるBC州、特にバンクーバーへの経済的効果には参加された皆さんも胸が膨らんだのではないでしょうか。

エネルギーのお話は一見難しいトピックに思われますが、山田さんのかみ砕いた非常に分かりやすいプレゼンテーションのお陰で、これからBC州でどのよな変化が予想されるのか、そしてLNGを通してカナダと繋がる事により、日本にどのような利益が生まれるのかなど明確になり、とても勉強になりました。参加してくださった皆さん、積極的に質問をして会を盛り上げてくださり、ありがとうございました!そして山田剛士さん、岸上有紀夫さん、難しいトピックにも関わらず、分かりやすい言葉で説明してくださり、そして皆さんの質問にお答えいただき、改めて感謝いたします。

企友会ボランティア 大山美優

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posted by k-column at 09:44| イベント開催報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年までに訪日外国人旅行者を4000万人へ

2016年も早いものでもう10月に入りますね。最近は朝晩と冷え込むようになり、街角でもコートを着ている人がチラホラいます。

さて今年3月末に政府が発表した【2020年までに訪日外国人旅行者を4000万人】を、皆様ご存知でしょうか?

私は旅行業界で働いておりますので、このニュースは衝撃的な発表でした。これは政府が日本の経済成長には「観光立国」の推進が不可欠とみて出した方針となります。

今では日本への外国人観光客数は年々増加しており、皆様も日本へ里帰りした際は以前と比べて外国人旅行者をより多く町で見かけると思います。

また2020年には東京オリンピック・パラリンピック大会を迎え、更なる外国人旅行者増加が予想されます。それもあり政府は外国人観光客数を大幅に引き上げる目標を決定致しました。

ただ本当にこの4000万人という目標は現実的なのでしょうか?

日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によりますと2015年度は1973万人と出ており、2016年度は8月までで1606万人となります。残り4ヶ月ですので単純計算2000万人は超えてくると予想出来ます。そうするとあと4年で倍の2000万人増加が必要となります。かなり大胆な目標ですが、私は不可能ではないと考えております。

それは「食・文化・観光・治安」と、どれをとっても日本は他の人気観光国とひけをとらないと思うからです。ただ、増加による懸念面も多くあり「インフラ整備、地方観光促進、治安面」をどうするかが鍵となります。その為にも日本国内、また日本国外からの支援・促進が必要になると考えます。

私も少しでも後押し出来るよう、頑張りたいと思います。

企友会理事 高岡利和
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2016年09月09日

2016年8月28日開催 企友会・木曜会 共催 BBQ大会のご報告

夏の最後の日曜日となる828日日曜日に、毎年恒例の木曜会と共催のBBQ大会がありました!

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天気予報では雨マークもでていて、最初はちょっと肌寒くってどうなるかなと上着も用意してましたが、嬉しい誤算でとても過ごしやすいジェリコビーチでの1日となりました。どなたかわかりませんが、日頃の行いのおかげですね。

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家族連れやお友達と一緒の人もたくさんいて、参加者はおおよそ130名。久しぶりの顔ぶれや、偶然の再会などもあって、みなさん思い思いに楽しんでいましたよ。

さてさてメインのBBQはと言うと、肉奉行やモロコシ奉行、焼きそばのプロ?!までそろう企友会。

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BBQがはじまったら、ここは祭りのテキ屋さんってくらいのチームワークを発揮しておりました。わたしは企友会のこう言うところが好きで、普段は会社の経営者だったり、専門職でバリバリお仕事されてる人たち、そこに学生も加わったりして、みんな素の顔にもどって真剣に遊ぶことを楽しんでいる。そういうのを見ると、当たり前なんだけど「あっ、なんだみんな同じじゃない」ってうれしくなってしまうんですよね。BBQや親睦イベントはそこが醍醐味ですね!

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ビーフにチキンにサーモン、おにぎりや焼きそば、そして地元産のトウモロコシ。みんなが満足気にどんどんテーブルに並べられる食べ物をたいらげた頃には、木曜会のゲームのはじまり。

今年はなんだか趣向を凝らしたゲームでしたね。

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こうやって今年も楽しい夏の締めくくりイベントが終了しました。

幹事の理事、サポートの理事の皆さん、丁寧な準備お疲れ様でした!ボランティアの皆さん、最初から最後までお手伝いありがとうございました!参加者の皆さま、お越しいただきましてありがとうございました!


企友会理事 スミス美香

posted by k-column at 03:22| イベント開催報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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